タバコのヤニ汚れ
更新日:2025年02月11日 不動産物件向け
喫煙者が入居している部屋で大きな問題になるのが、壁紙に付着するヤニ汚れです。
付着してすぐなら軽く拭きとると多少は落とせますが、長年放置してきたヤニ汚れは、壁にこびりついてなかなか落とせません。
賃貸物件の場合は、次の入居者のために原状回復を行います。
喫煙可の物件であったとしても、汚れや匂いがひどいと壁紙を全面的に張り替える必要があります。
なぜタバコを吸うと、壁紙は黄色く汚れてしまうのでしょうか。
タバコには、有害物質のタールが含まれています。
タールは、ねっとりとした植物性樹脂で、これがヤニと呼ばれるものです。
喫煙者の歯が黄色く変色しているのも、タールが付着して固まっているためです。
喫煙によってタールが歯やのど、肺にこびりつくだけでなく、タバコの煙によって室内に運ばれ、壁紙に少しずつ蓄積することで黄ばみの原因になります。
タールは、黒から茶褐色の液体で、タバコが燃焼するときに大量に発生します。
強い油性で粘着性をもち、壁紙に付着すると簡単に落とせません。
さらに、タールには独特のニオイがあり、ヤニと一緒に染みついたタバコのニオイは、消臭剤や消臭スプレーでは消すことが出来ず、部屋全体がタバコ臭くなります。
基本的に、一度壁についてしまったタバコのヤニ汚れやニオイは、完全に落とすことができません。
賃貸物件の場合、原状回復の費用は借主の負担となりますが、ヤニ汚れがひどいと敷金でまかなえないため、借主に費用請求するケースもあります。
壁紙のヤニを完全に落とすことは難しいですが、蓄積する前にこまめに掃除することで、黄ばみを薄くできます。
ヤニ落としの前に、掃除機やはたきで壁紙についたホコリを落とします。
壁紙のホコリをはらったら、ヤニを落としたい部分に洗剤や重曹水などを直接吹き付けます。
洗剤や重曹水などを吹き付けた個所をスポンジやブラシでやさしくこすって汚れを落とします。
力を入れてこすると壁紙が傷んだり、色むらになったりすることがあるので、壁紙の状況を見ながら軽くこするようにしましょう。
また、壁紙から浮いたヤニ汚れは、液だれして筋状にしみこんでしまうことがあります。
汚れが浮いたらすぐに拭き取りましょう。
汚れを落としているスポンジやブラシが汚れてきたら、こまめに水で洗ってから使うようにしてください。
汚れたスポンジのまま作業を進めると、せっかく落としたヤニを壁紙に戻してしまうことになります。
仕上げは、水拭きをして洗剤とヤニを拭き取ります。
水拭きで拭き取った後、乾いた雑巾で余分な水分を拭き取りましょう。
水分や洗剤が壁紙の表面に残っていると、シミや変色の原因になるため、しっかりとふき取ることが大切です。
ヤニを落とす壁掃除のポイントは、洗剤を狭い範囲に吹き付けることです。
少しずつ汚れを落としては拭き取る作業を繰り返しましょう。
ヤニ汚れを落とす際は壁紙を傷つけないように、注意しながら掃除を進めましょう。
洗浄力の強い洗剤は、汚れを落とすのに効果がありますが、成分が強すぎるとクロスを変色させてしまうことがあります。
洗剤を壁に吹き付ける前に、必ず目立たない部分で試し、壁紙に変化がないことを確認してから使いましょう。
壁紙は、クロスを複数枚つなぎ合わせて張られています。
クロスのつなぎ目に、洗剤を吹き付けてしまうと水分がしみこみ、壁紙が剥がれる原因になります。
ヤニ落としに取り掛かる前に、壁紙のつなぎ目の位置をチェックしましょう。
また、雑巾で拭き取るときは、つなぎ目と並行方向になるよう、上下に拭くとクロスがよれにくくなります。
壁紙は力を入れて強くこすると、傷付いたり破れたりすることがあります。
ヤニ落としは、円をえがくように軽くこするのがポイントです。
特に、洗浄力の高い洗剤やメラミンスポンジは、強くこすることで拭きムラが出来やすいので、こすりすぎに注意してください。
壁紙をきれいに保つ為には、ヤニ汚れが蓄積しないよう、こまめに壁を掃除することが大切です。
壁に付着したまま長期間放置されたヤニ汚れは、時間の経過とともに固まってしまうため、完全に落とすことができません。
壁紙にタールがしみこんでいるため、無理やり落とそうとするとムラができ、さらにヤニ汚れが目立ってしまいます。
壁紙にしつこい汚れは無理に自分で落とそうとせず、信頼できる業者に依頼することをお勧めします。