エアコンの仕組み
更新日:2024年12月11日 その他コラム
冷房と暖房のしくみ
冬場お風呂からよく体を拭かず、水滴のついたまま風に当たると非常に寒く感じますが、身体をタオルでよく拭いてからお風呂から出ると、そんなに寒く感じないという経験をしたことはありませんか?
これは皮膚についている水滴が水蒸気という気体になるときに熱を皮膚から奪うため、このような現象が起こります。
これと同じように、暑い夏に庭へ打ち水をすると涼しくなったり、むしむしする満員電車に乗って汗をかいた後、電車から降りて外の空気に当たると非常に涼しかったり、またアルコールを浸した綿で
腕を拭いたときに冷たく感じるのも、水やアルコールという液体が蒸発して気体になるときに周囲から多量の熱を奪うからです。
冷房と暖房の仕組みを理解するためには、液体と気体の性質を知る必要があります。
液体と気体の性質
液体が気体に変わるとき、周囲の物体から熱を吸収する。
蒸発温度が低く、且つ圧力が低いほど熱の吸収は大きい。
気体が液体に変わるとき、熱を放出する。
圧力を高くして冷却すると凝縮しやすく、且つ放熱は大きい。
このようにエアコンは液体と気体の性質を利用してお部屋の温度調節を行っています。この性質を利用する際にかかせないのが冷媒ガスです。
一般的に冷媒ガスと呼ばれていますが、ガスといっても常に気体というわけではありません。
エアコンの冷媒管を循環する過程で液体や気体に変化し、その際に冷媒ガスは高温や低温になるため、この熱を利用して温度調節を行っています。
冷房運転の場合、室外機の減圧機で低温の液体になった冷媒ガスは、室内機に運ばれて熱交換器を冷やします。
このとき、室内機ではファンで吸い込まれたお部屋の空気が、冷やされた熱交換器によって熱を奪われ冷たくなった空気はファンで再びお部屋に放出されるため室内機から冷たい風が出ていると感じるのです。
部屋の熱を吸収した気体の冷媒ガスは室外機に戻って圧縮機で高温の気体となります。
その後、室外機の熱交換器を通過する際、ファンによって冷却されるため室外機の正面から暖かい空気が放出されます。
夏場、室外機から暖かい風が出ているのは、冷媒ガスの熱が放出されているからなのです。
暖房運転の時は冷房運転の逆で、室外機から外の空気の熱を吸収し、圧縮器で高温の気体となった冷媒ガスが室内機に運ばれ、冷媒ガスの熱によって熱交換器が温められます。
温められた熱交換器はファンによってお部屋に熱を放出します。
これにより、室内機から暖かい風が出ているのです。
また、お部屋の空気の熱は冷媒ガスによって室外機に送られ外へ放出されます。
この熱の移動によって部屋の温度調節を行っているのです。
暖房運転の時は室外機が外気の熱エネルギーを吸収しているため、外気温度が低いほど暖房温度が低下します。
冷媒ガスの役割
冷媒ガスが空気中の熱を吸収したり放出することでお部屋の温度を上げたり下げたりしているため、冷媒ガスがなければエアコンは能力を発揮できません。
万が一冷媒ガスが漏れてしまい、十分な量が冷媒配管の中に入っていない場合は、熱の移動能力が低下し温度調節が出来なくなってしまいます。
お部屋が冷えない、もしくは暖かくならない場合は冷媒ガスが漏れている可能性があります。