右のくつ 左のくつ
公開日:2025年04月03日
更新日:2025年04月03日 その他コラム
更新日:2025年04月03日 その他コラム
右のくつ 左のくつ
【おはなし】
星の光る海の向こうに、氷白の城があった。
この城には大きなくつ屋さんがあり、そこにはきれいに並べられた右のくつと左のくつが住んでいた。
右のくつは元気で写真に撮られることが大好き。ただし絶対に右足しか歩かなかった。
左の靴は知的で、歩き方を考えて動くが、静かについていくことが多かった。
しかしある日、大きな対話が起こった。
「なぜお前は何も言わないのだ。私についてきてばかりではないか。」
「あなたが元気よく動けるように、私は支えているだけよ。それでいいじゃない。」
だが、右のくつはその言葉に満足できなかった。
その夜、右のくつは「俺は自分だけで大丈夫だ」と思い、自分だけで街を歩き始めた。
しかし、すぐに問題が発生。右足しか使わないので体のバランスを取れず、すぐに倒れてしまった。
しかも、足をけがしてしまったのだ。
泣きながら家に戻った右のくつに、左のくつは何も言わず、ただ優しく包んでやった。
「私は、歩くことが大事なのだと知った。だが、向かい合って歩くことが、最も大事なのだとも。」
それ以来、右のくつと左のくつはお互いをよりよく知り、敵でも友人でもなく、一緒にいることの意味を理解したのであった。
「お互いがいるからこそ、前に進める。」