松下幸之助一日一話
5月12日
「使い捨てと経済性」
高度成長の時代に「使い捨て」「消費は美徳」という考え方が浸透しました。私は時どき注射を
打ちますけれども、見ていると一度使った注射器をすぐ捨てています。もったいないじゃないかと
言ったら、消毒するガス代、水道代、洗う手間を考えたら捨てる方が安い。というのです。なるほ
ど、生産の経済性というものがそこまで上がったのかと驚きました。
使い捨てというとたいへんもったいなく思えますが、実は経済の法則にかなっているのです。し
かし昔のことを知っている人間には、やはりもったいないという考えはある。その考えは尊く、そ
れはそれで残し、経済性も重んじるということが必要だと思います。