松下幸之助一日一話
5月2日
「カメの歩みの如く」
カメの歩みというのは、一見のろいようだが、私は結局はこのあせらず、騒がず、自分のペース
で着実に歩むというのが、一番よいのではないかと思う。
手堅く歩むから力が培養されてゆく。逆にパッとやればどうしても手堅さに欠けるから、欠陥も
出てくる。だから見たところでは非常に伸びたようだが、あとであと戻りをしなければならないと
いうことも起こいってくる。
ウサギのカケ足では息が切れる。ハヤ足でもまだ早い。一番よいのはやはりナミ足で、カメの如
く一歩一歩着実に歩むことではないかと思う。人生行路だけではない。事業経営の上でも、大きく
は国家経営の上においても同様であろう。