松下幸之助一日一話
4月27日
「賢人ばかりでは」
世の中は賢人がそろっていれば万事うまくいく、というものでは決してありません。賢人は一
人いれば、それで十分なんです。さらに準賢人が三人、準々賢人が四人ぐらい。そんな具合に人が
集まれば上々でしょう。賢人ばかりですと、議論倒れで一向に仕事がはかどらないといったような
ことになりがちです。
一つの実例をあげれば、ある会社で三人の立派な人物が、お互いに協力しあっていたはずなのに
どうもうまくいかない。そこで一人を抜いてみた。すると残る二人の仲がピタッと合って非常に
うまくいき、抜かれた人物も他の分野で成功した。そんなことがよくあるものなのです。