松下幸之助一日一話
3月26日
「見えざる契約」
今日、何千万人という需要者の方がたは、生活を豊かにしていくために物が欲しいというとき
それが現実に手に入らなければ、非常に不自由な思いをせざるを得ないでしょう。
私たちはあらかじめそういうことを予期して、万般の用意をしておかねばなりません。
それはいわば、私たちと大衆との見えざる契約だと思うのです。
別に契約書があるわけではありませんが、私たちはこの見えざる契約
声なき契約をよく自覚する必要があります。そして、その契約を遂行していくために
常日ごろから万全の用意をしておくことが、私たち産業人に課せられた
きわめて大きな義務であり責任だと思うのです。