松下幸之助一日一話
6月5日
「商売徳とは」
商売徳とは何かということについては、むずかしい理屈もあるかもしれないが、ごく通俗的に考
えれば、商売人としての心構えとでもいうべきものであろう。それは昔も今も同じであり、永遠に
変わらないもののような気がする。つまり、商売人には商売人としての使命がある。だから、その
使命に誠実に従い、ひたすらこれを果たしていくということである。
私がやってきた電器店であれば、人びとの役に立つものを開発する。しかも合理化をはかり、適
正な利益をとりつつも、なお安くなるよう努める。また配給もできるだけムダをなくす。それが
商売徳というもので、これは他のどんな商売にも言えるのではないかと思う。