松下幸之助一日一話
5月21日
「自分が社長の心意気を持つ」
戦争中に、ある青年が会社の業務として、一つの工場を売りに私のところへ来ました。私は話を
聞いた結果、「君が私の会社へ入って、その工場の経営を引き受けてくれるのなら、買おう」と言
うと、彼は「私は社長ですから、現在の会社をやめるわけにはいきません」と言下にそれを否定し
たのです。「君は社員ではなかったのですか」と聞くと、「いや、自分は社員ですが、心持ちは社
長のつもりでいます」と言うのです。この返事を聞いて、偉い人だなと思いました。
われわれも一人ひとりが、それくらいの心意気を持って仕事をすれば、いろいろ新しいことも発
見できるでしょうし、日々新たに成長もしていくと思うのです。