松下幸之助一日一話
4月13日
「運命を生かすために」
サラリーマンの人びとが、それぞれの社会に入られた動機には、いろいろあると思う。中には何
となく入社したという人もあるかもしれない。しかしいったん就職し、その会社の一員となったな
らば、これは "ただ何となく" ではすまされない。入社したことが、いわば運命であり縁である
としても、今度はその上にたってみずから志を立て、自主的にその運命を生かしていかなくてはな
らないと思う。
そのためにはやはり、たとえ会社から与えられた仕事であっても、進んで創意工夫をこらし、み
ずからそこに興味を見出してゆき、ついには夢見るほどに仕事に惚れるという心境になることが大
切だと思う。