プロでも98%の人は知らない塩素系洗剤の話
更新日：2022年12月21日 ご家庭向け
この間4年半ぶりぐらいに昔の親方さんと一緒に仕事してきましたおそうじ革命小平店片渕です。
ハウスクリーニングを教わった昔の親方さんとは他団体でありますので、気を使ってか今まで応援のお誘いがなかったため（けして中悪いわけでないです）一緒に仕事する機会がなかったのですが、大変な現場でどうしても人が足らないとのことで作業応援してきました。
現場は4000㎡ある倉庫の引渡しで圧倒的な現場すぎて、さすがだなと思いました（笑）
といっても昔私が働いていたときはそれより大きいテレビに普通にでてくる歴史ある倉庫や米軍基地のスーパーの引渡し等たくさんの現場作業やってましたのであまり驚きはしませんでしたね。
あとなによりおそうじ革命は言ってもほとんどの人がまだ始めたての方ばかりですので、いつも自分が現場指揮ってやっている事が多いのですが、昔のお仲間様はほとんど10年以上やっているベテランお掃除屋さんなので、それぞれがプロって感じで動きがすさまじく良くてやっぱプロの掃除屋ってのはこういう人達の事いうんだよなあなんて思いながら、作業してました。
50代のおじさん達がいきいきと働いている姿を見て、自分もがんばろうと思えるいい機会でした。（36歳の自分より元気じゃねってなりますｗ）回りにもう少し掃除屋プロの加盟店増えてくれるといいなとは思いますが、出来る人はみんなやめて個人でお掃除屋やってしまうのでなかなか難しいですね。
得意の脱線しましたが、今日はカビ取り洗剤の話とその話を踏まえた効果的な洗剤の使い方について紹介したいと思います。
まずおそうじ革命のカビ取り洗剤には社長の福井さんが、みずからの経験から製作したというカビ取りプロとカビスポットというものがあります。二つの特徴として（私の使用感からの想像なので詳しい成分とかはわかりませんので大体の成分）
カビとりプロ
次亜塩素酸ナトリウムに界面活性剤を加えて、カビへの浸透性をよくしたもの（塩素濃度は4～5%だと思います。）
要するに業務用のカビキラーのような物です。
カビスポット
スプレーヤーから噴射する際に特殊な成分が入っているため中に入っている塩素洗剤がジェル状になるようになっています。そうなることで対象面に残りやすくなり、有効成分が留まる時間が長くなるため効果的にカビ取りできます。（塩素濃度は3～4%だと思います。）
主に浴室クリーニングでカビ取りは多様するのですが、カビ取りで重要なのは乾かさないことです。水分があることで、カビの根にじょじょに浸透していき黒いカビを漂白していきます。
カビスポットは塩素系洗剤を永く留まらせるために工夫された洗剤と言えます。
ただ私は使ってません（笑）ほんとに本部アンチとかではないのですが使いづらいので使ってません。
なぜかというと塩素濃度が低いからです。濃度に関しては正確な濃度はわかりませんが明らかに普通にスーパーとかで売っているキッチンハイター塩素濃度5、6%（まな板除菌するやつ）のほうが強いと思うからです。これは実際自分が試したのでそうだと思います。加盟店の健康を考えられているのかも？
浴室掃除する際にカビ取りをするのですが、そこにカビ取りを永く浸けおくわけですが塩素濃度が低いと時間を永くおく必要が出てきます。浴室のクリーニングは他に沢山することがあり、なるだけ早くカビを漂白したいと思います。
私は業務用の洗剤で世の中にあるものとして次亜塩素酸ナトリウム12%というのがありますので、それを新鮮な状態でじゃばじゃばかけるというのが一番効率的だと思っていますし、世の中のお掃除屋さんのほとんどはそれを使っていると思います。
あと値段ですがそもそも12%が18リットルで3000円しないで、普通に買えるため明らかに値段が高いカビスポットは使いづらいのです。
考え方は良いと思いますが、カビ取り剤は掃除屋として一番使うという方もいるというぐらいな洗剤になりますので、コストと作業時間が早いか遅いかはお掃除屋の洗剤としては最重要な事だと思います。
加盟したときからある洗剤なので、すこし見つめ直されないかなあなんて思ってますよ！（笑）
で今日の本題の98%のお掃除屋が知らない塩素系洗剤の話をしたいと思います。
塩素系洗剤の主成分とされる次亜塩素酸ナトリウムというのは、一般的に言うとハイターと呼ばれる物です。うえでも紹介しましたがまな板除菌する緑の入れ物に入ったやつですね。
色々なカビを漂白するのに用いられます。次亜塩素酸に水酸化ナトリウムを加えることにより安定化させたものです。キッチンハイターはPH的には12ぐらいです。
安定化と書いていますが、難しい言い回しはわかりづらいですし私も正確な言葉か合っているかわからないので噛み砕いて説明します。
みなさんは塩素系洗剤と酸素系洗剤は混ぜるな危険というような話は一度は聞いたことあるかと思いますが、混ぜると塩素ガスが発生してしまいます。
次亜塩素酸ナトリウムの元である次亜塩素酸というのは元々酸性の成分であり存在するだけで塩素ガスが発生していまい体に害を及ぼします。
それを防ぐために水酸化ナトリウム（苛性ソーダ）という強アルカリを混ぜることで、その塩素ガスの発生を抑えているのです。また有効塩素濃度が落ちにくくなります。
で本題になりますが、実は塩素ガスが発生するPHが酸性側によっているほうが塩素力が高いんです。その変わり塩素ガスを発生させてすぐに塩素力は弱まります。
具体的にはPHが下がるにつれ上がりますが、PH5ぐらいまでは急激にあがりそれ以上になるとゆるやかにあがります。
つまりあまりに強すぎる塩素力を犠牲にして、安全性と長持ちすることを優先させているともいえます。
といっても薄めて使っても十分カビ取りに使えますよね。これを使って全国のお掃除屋さんは浴室のカビ取りをしているわけです。
このことを踏まえて、普段体に悪いのわかっているのでやってないですが空室クリーニングでやろうと思えば出来るカビ取り方法の紹介しようと思います。
（一般の方、清掃業3年以上の方以外は絶対にまねしないで下さい）
築30年ぐらいの古いタイルの浴室です。カビの大分根強く入っていて一筋縄ではいかないです・・・
3時間ぐらい次亜12%つけていましたが、さすがに30年の歴史は永く完全に落ちません。
こうなったら空室だしやるかなということで、ここにヌリッパーやマクビーと言われる酸性の洗剤を塗りこみブラッシングします。
研修や色々掃除を教わった方にカビ取りと酸は混ぜるなと言われてきたと思いますので、小平店やばすぎ・・・・とか思われる方もいるかもしれませんが私は落ちる方法があるのに簡単に落ちませんというお掃除屋なんてのは真の掃除屋じゃないと思っています。
ちなみに普段はやってません。やるとしたらカビ取りかけ忘れた部分が作業終わりかけで見つかったときにやるぐらいですが最近は掛け忘れた部分というのがほとんどありませんので実質やってないですね。
空室なので、息とめてブラッシングして即浴室のドア閉めて違う事してますので、個人的には塩素振りまいた状態で１時間とか作業したほうがよほど体に悪い気はします。（ちなみにすこし鼻につく匂いがします）
くれぐれも酸ポール等の強酸の物は使わないで下さい最悪死にます・・・
夜遅くまでやってたので、すこし暗いですがこんな感じに綺麗に落ちました。
あとから髭剃り置きを外したら下がカビだらけだったので、やり直しましたが5分ぐらいで綺麗さっぱりになりましたよ。
後余談ですがカビの漂白というのは難しくて、カビの根はたんぱく質の膜で覆われているためそれを破壊するのに、アルカリ性もある程度必要なのでこのやり方が最も効率的かというわけではありません。イメージ的にはカビ菌の淡白質を壊した瞬間に殺菌している感じですね。やった感じでは落ちる速度は速いですが、浸けおきには向いてないです。すぐ塩素が飛んでしまうので。
もしやるなら普通のカビ取りして、カビ落ちがイマイチな部分にポイントでやるというのがいいやり方かもしれませんね。
昔何度か試しましたが、やはり素材が変色したような黄色のような部分は完全に真っ白にはならなかったです。
あと使い方としてはトイレの床とかに、塩素まいてそのあとすこし酸ポールなどの酸性の洗剤を垂らすと消臭効果抜群です。業務用のトイレの床とか昔やってました。
という感じであまりおすすめ出来ませんが洗剤の特性を理解して、うまく使うことで最大限に洗剤のポテンシャルを引き出すこともできます。
おそうじ革命では掃除は化学とか言ってますが、実際加盟店にそういう事を考えてやっている店舗は何人いるんだろうと思っています。そもそもそういう事を考えるほど基礎知識がないのかもしれませんが、自分が使っているものはどういうものか、どういう危険性があるのかそれを説明出来るかってのはプロなので私は出来るように調べていますし、あまり悩まずにすらすら言えるようにしています。
今日は一般の人というよりお掃除屋向けの内容でしたが、いろいろ一般的に使える洗剤の知識とかもありますのでご依頼の際に聞いてもらえると嬉しいかななんて思っています。
よろしければおそうじ革命小平店をよろしくお願い致します。
