エアコンから出る風が原因!?風邪引きの意外なルーツ
空気が乾燥してくる秋~冬は、湿度の高い夏と違い、空気の中に含まれるウイルスの数が圧倒的に増えます。
特に人混みは風邪引きの人と遭遇する機会も多くなるため、風邪予防のために冬場はなるべく人混みを避けるように気をつけている方もいます。
しかし、風邪のリスクは屋外にだけ存在してるわけではないこと、ご存知でしたか??
実は外から室内に持ち込まれたウイルスは、そのまま室内に留まり続けるため、部屋の中であっても風邪を引くことがあるんです。
特に部屋の空気と一緒にハウスダストも本体の中に吸い込んでいるエアコンの内部には、風邪の原因となるウイルスもたくさん存在します。
今回の記事では、エアコンから出る風が原因と思われる体調不良を解消するための、家庭でもできる簡単なエアコンクリーニング方法をご紹介いたします。
なぜエアコンから出る風が”体調不良の原因”となるのか
と、その前に、なぜエアコンから出る風が風邪をはじめとする体調不良の原因となるのか、について簡単にご説明したいと思います。
エアコンが体調不良を引き起こす要因としては、以下の要素が挙げられます。
・空気を乾燥させる
・ウイルスが含まれる空気をまきあげる
・ウイルスが含まれる空気を内部に取り込んでいる
・冷やしすぎ、温めすぎによる外気との寒暖差
まず「空気を乾燥させる」ですが、エアコンは室内の空気を内部に取り込んだあと、熱交換器と呼ばれる機会で設定温度まで空調して排出しています。熱交換器は冷房のときは冷たく、暖房のときは熱くなる仕組みになっています。
したがって、冷房のときは水蒸気が水となって排出されてしまい、暖房のときは蒸発してしまいます。そのためエアコンから出る風は常に乾燥しているのです。
エアコンをつけっぱなしにして寝てしまい、翌日鼻や喉の調子が変、なんて経験ありませんか??あれは、エアコンから出る乾いた風を吸入し続けた結果、喉や鼻の粘膜が乾燥し、本来これらの粘膜がもつ免疫力か大幅に低下したところへ風邪の原因となるウイルスが付着、増加して喉や鼻の調子が悪くなっているのです。
つづいて「ウイルスが含まれる空気をまきあげる」ですが、ウイルスはとても軽いとはいえ、空気よりは重い性質がありますので、無風状態の空間では地面に落ちてしまい、空気中を飛ぶことはありません。
しかし、エアコンは室内の空気を循環させる機械ですので、エアコンから出た風が地面に落ちているウイルスをまきあげ、さらにそのウイルスが含まれる空気を内部に取り込み、吹き出し口から排出するため、エアコンをつけた室内にはウイルスがどうしても飛散してしまいます。
最後に「冷やしすぎ、温めすぎによる外気との寒暖差」ですが、外気温と室内の温度の差が出てしまうと、急激な温度変化による体温調節に身体がついていけなくなり、免疫力が低下してしまいます。具体的にいうと、室内と外での寒暖差で身体がショックを受けないよう、寒暖差に慣れさせるため交感神経が稼働するのですが、この寒暖差が大きいとそれだけ交感神経がたくさん働かなければならなくなるため、身体や脳が疲れてしまい結果として免疫力が低下する、というメカニズムになっています。
人の免疫力をもっとも活発にする温度は28℃前後、湿度は70%程度と言われています。エアコンの設定温度の上げすぎ、下げ過ぎは体調不良を招く一因となるため、体調を崩しやすい季節の変わり目などは注意が必要です。
エアコンから出る風をクリーンな状態に保つには
エアコンから出る風には風邪などの疾病の原因となるウイルスが含まれていることは先ほどの項でご説明した通りです。逆に言えば、エアコンを常に綺麗な状態に保つことが出来れば、吸入する空気の中に潜むウイルスの数を大幅に減らすことができるため、風邪にかかるリスクも減る、ということです。
この項では、エアコンの内部を綺麗な状態に保つために必要なメンテナンス、お手入れ方法についてご説明したいと思います。
1.エアコンフィルターを掃除する
エアコンが吸い込んでいる風は、エアコンの前面についているエアコンフィルターで一度濾過され、内部に吸入されています。
このエアコンフィルターには濾過されて残ったカビの胞子やホコリ、ウイルス、建材などのハウスダストが付着し、溜まっていきます。溜まったハウスダストはそのうちフィルターから脱落し、エアコン内部に吸い込まれて熱交換器などが汚れていきますので、定期的にお掃除してあげる必要があります。
エアコンの前面パネルを跳ねあげると、中にエアコンフィルターが入っています。エアコンフィルターは持ち手を持って上方向に押し上げると外れます。汚れているフィルターからはホコリなどが散りますのでエアコンの下に新聞紙などを敷いてから作業すると良いでしょう。
はずしたエアコンフィルターは掃除機でゴミを吸います。掃除機についているブラシ付きのノズルなどでゴミを掻き出しながら吸ってあげると効率よく作業できます。
このとき、かならず表側からゴミを吸うようにしてください。裏側から掃除機をかけると、フィルターの目にゴミが詰まってしまい、そうなると後々綺麗にするのが面倒になりますので必ず表側から吸って下さい。
エアコンフィルターは水洗いできます。ひどく汚れている場合は水洗いしましょう。
使用する道具は、ブラシ(使い古した歯ブラシなどでもOK)、中性洗剤(バスマジックリンなど)です。
エアコンフィルターを水洗いするとゴミが散りますので、お風呂場などゴミが散っても良い環境で作業することをオススメします。
エアコンフィルターの裏側から水、またはお湯をかけ、全体のゴミを流していきます。
取りきれなかったゴミは古ブラシをかけながら水洗いしましょう。
フィルターに黒い点々がついている場合、それはカビですので、洗剤を使用して綺麗にしましょう。
洗剤をかけたらブラシで擦り、網目に入り込んだカビまでしっかり洗剤を浸透させます。
表側からだけでなく、裏側からも洗剤をかけてブラシで擦りましょう。
最後にたっぷりの水で洗い流します。洗剤が残ったままフィルターを取り付けてしまうと、洗剤に含まれるあまり人体にとって良いとは言えない化学物質がエアコンから出ることになりますので、念入りに流しましょう。
水洗いしたエアコンフィルターはすぐに取り付けせず、風通しの良い場所で1時間程度陰干し、しっかり水分を乾かしてから取り付けましょう。濡れている状態で取り付けるとカビなどがまた繁殖するリスクが高まります。
エアコンフィルターは月に一度は掃除機がけをし、半年に一度は水洗いをするようにしましょう。
2.吹き出し口を掃除する
エアコンは前面パネルから空気を吸入し、熱交換器内で空調したのち、本体下部の吹き出し口から風を送り出しているのですが、この吹き出し口が汚れていると出てくる風にも当然カビやウイルスなどが混じってしまいますので、吹き出し口も綺麗にしておかないと風邪にかかるリスクが高まります。
吹き出し口のお掃除の際は、まずエアコンの運転を必ず停止しましょう。運転中に作業すると、故障のリスクが高まるだけでなく、回転するファンで指などを怪我する危険性もあります。必ず運転が停止していることを確認してから作業するようにしてください。
使用する道具は
・割り箸などの先の細い棒
・ブラシ
・雑巾
です。汚れがひどい場合は薄めた中性洗剤(食器洗い用洗剤など)を使用しましょう。
風向ルーバーを開き、水に浸した雑巾を割り箸などで奥へ突き込み、吹き出し口を拭いていきます。吹き出し口の奥や風向ルーバーの隙間は狭いので、なるべく薄い雑巾(手ぬぐいなどが望ましい)を使用するようにしましょう。ルーバーの破損に注意しながら、慎重に吹き出し口を吹きます。汚れが落ちない場合は、食器洗い用洗剤などを10倍くらいに薄めたものに雑巾を浸し、再度拭いていきましょう。雑巾を浸す水は温度が高いほど汚れが浮き上がりやすいので、お湯を使用するのも良いでしょう。
洗剤水を汚れに垂らし、ブラシで擦ってあげるのも効果的です。
洗剤を使用した場合は、作業後に綺麗な雑巾をゆるく絞ったもので水拭きして洗剤を取り除くようにしましょう。
最後に綺麗な雑巾で乾拭きをして終了です。
汚れがひどい場合はプロにおまかせ
ヤニ汚れ、カビ汚れ、油汚れなどがひどいエアコンは、ご家庭で綺麗にするには限界がありますので、気になる方はプロに依頼するのも手です。
最近のエアコンクリーニングは昔に比べて安価になり、業者によっては一台¥6,000程度で請け負ってくれるところも存在します。
プロのエアコンクリーニングは、家庭では難しいエアコンパーツの取り外し、専用洗剤の塗布・汚れの分解、高圧水による洗浄、取り外したパーツの洗浄などをやってくれます。時間も壁掛けタイプの小型のものであれば1台1時間程度で終わらせてくれますので、それほど手間のかかるものではありません。
プロに綺麗にしてもらったその後は上記した方法で定期的にメンテナンスしてあげれば、驚くほど長い期間エアコンを綺麗な状態のまま維持できますよ。
まとめ
・エアコンは空気中のウイルスやカビ、ハウスダストなどを吸い込んでいる
・エアコンが送り出している空気は、風邪などを引き起こすリスクがある
・エアコンフィルターは月に一度掃除機で吸う、半年に一度水洗いするなどして綺麗する
・エアコンの吹き出し口は先の細い割り箸などの棒で雑巾を突っ込み、綺麗する
・ヤニ汚れや油汚れがひどい場合はプロに掃除してもらうという手もある
いかがでしたでしょうか??人が直接吸い込む風を送り出しているエアコン、綺麗な状態をキープしたいですよね。
今回書きました方法で定期的にお掃除してあげれば、夏場や冬場、エアコンをフル稼働する時期でも風邪にかかるリスクを軽減できますよ。