エアコンの効き目をよくするテクニック!秘密は室外機にありました!
「世界のエアコン需要、2050年までに3倍増」
2018年5月16日、世界エネルギー機関(International Energy Agency 通称IEA)が上記のニュースを発表いたしました。
なんでも、現在世界にはエアコンの設置された建物が16億棟あるそうですが、これが2050年には56億棟にまで増加するというのです。
56億棟という数字ですが、ビルなどの大きな建造物の場合、中に設置されるエアコンは当然1台ではありませんので、エアコンが必要となる建物は56億棟でも、実際に設置されるエアコンはもっと台数が多くなるだろうと言われています。
2050年までに全世界のエアコン設置台数は140億台に達するのではないか、という最新の研究結果も出ているそうですね。
世界人口が70億人を超えたというニュースを聞いて久しくなりますが、今後も人口は爆発的に増加していく見込みのようです。
このままいくと、「世界の平均気温を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする」、「21世紀後半にはCO2排出量と、森林などによる吸収量のバランスをとる」ことを目標としている「パリ協定」の達成が怪しくなるのでは、という見方もあるそうですね。
気候変動が騒がれて大変な問題になっている昨今、これは由々しき事態であると言わざるを得ませんが、日本は連日の猛暑日、先日埼玉では41℃という観測史上国内最高気温を記録するなど、熱波に悩まされております。
そんな中、CO2削減のためにエアコンの使用を控えよう、というのは完全に命取りです。あまりの暑さに連日相当な数の人が熱中症となり、病院へ搬送されています。
「この酷暑のなか、エアコンなしで乗り切るのは命にかかわるぞ。でも地球の未来も心配だ…。」
そんなエコロジストの皆様のために、今日はエアコンの効きをよくするテクニックをいくつかご紹介させていただきたいと思います!
エアコンの効きがよくなれば、その分温度設定を緩くできます。となると、結果的に使用する電力も抑えられますので、電気を生産するために必要な化石燃料の燃焼量も減るわけです。すると、排出されるCO2も減少し、ひいては地球温暖化の対策にもなるということですね!
そんなエアコンの効き目を良くするための秘密は「室外機」にありました!
室外機はどういう役目?
その前に、エアコンの室外機とはいったいどういう役目を果たしているのかをまずご紹介したいと思います!
エアコンが空調する仕組みは、簡単にいうと
①室内機と室外機で冷媒ガスをやり取りしている
②冷房時、冷媒ガスは室内機で圧力を下げられる
③冷媒ガスは室内機内で蒸発し、周囲の熱を奪う
④熱を奪った室内機の冷媒ガスは室外機側に送られ、放熱する
⑤再び室内機側に冷媒ガスが送られる
このようになります。
つまり、エアコンは室内機と室外機で熱をやり取りしているわけですね。
ですから、室外機が存在しないと室内機も稼働することができません。ふたつでひとつ、部屋の中と外で協力しあって空調しているというわけなんです。
室内機はエアコンフィルターをお掃除したり、プロに頼んで内部を高圧洗浄したりしますけど、室外機はよくわかんないからいいや、という方もいらっしゃると思いますが、エアコンの動作において室外機は超重要なんです!
当然、室外機だって定期的なメンテナンスが必要です。故障してしまうと室内機も動かなくなってしまいます!
室外機の力を引き出すマル秘テクニック
冷房運転時、室内から運ばれてきた熱を部屋の外へ放出してくれる役割のある室外機。
そんな室外機のポテンシャルを引き出すことで、故障のリスクを軽減し、電気代を抑えるマル秘テクニックをご紹介いたします!
①室外機にヒサシをかける
もしあなたのお家のエアコン室外機が直射日光にさらされていたら、すだれなどを使ってヒサシを作ってあげましょう。
エアコン室外機は室内の熱を外へ排出している関係上、冷房運転時は非常に熱くなります。そこへ夏の強烈な日光が降り注いだら…。
最悪の場合オーバーヒートして完全に動かなくなってしまうことでしょう。
また故障以外にも、室外機の温度が高くなりすぎると、それを冷やすための機構もフル稼働することとなり、結果電気代もより多くかかってしまいます!
すだれは百円ショップなどでも購入できますので、なるべく大きなものを購入し、室外機全体が覆われるよう日陰を作ってあげましょう!
②室外機の周りから物を排除する
室外機は人の膝くらいの高さにありますから、しばしば洗濯ばさみや洗濯カゴを置いたり、植木鉢やガーデニング用品を置いたり、と物置として便利に使われてしまいがちですが、実は室外機の周りにものを置くと、室外機のパフォーマンスを下げることになってしまいます!
室外機は冷房運転時、室内の熱を戸外に排出しているというのは何度もご説明した通りですが、室外機の周りに物がおいてあると、この排熱がスムーズにできなくなってしまいます。
そうするとどうなるかと言うと、室外機は排熱のためにもっともっと頑張らなければならなくなります。
つまり、より過剰に運転しなければなりませんので、電気代がより多く必要となり、また機械にかかる負担もその分増加しますので、最悪の場合故障してしまうわけです。
なので、室外機の周りには物を置かないよう心がけましょう!
室外機への「打ち水」はやめましょう!
「周囲の熱を奪いながら蒸発する」という特性を利用した打ち水。
この打ち水を「室外機にもやるとポテンシャルもっと引き出せる」という情報がネットでは常識のようにささやかれておりますが、室外機への打ち水はやめておいた方がよさそうです。
室外機には側面に基板、内部にファンモーターなど、通電している部品がたくさん入っています。ここへ大量の水をかけてしまうと、これらの電子部品まで水がしみこんで故障してしまうおそれがあります。
故障してしまうと、室内機も稼働できなくなりますので、この時期地獄を見ることになります…。
もちろん、雨などで少量の水がかかる分には問題ない構造になっている室外機ですが、大量の水がかかることは想定して作られてませんので、打ち水はやめておいたほうがいいでしょう。
メーカー各社も、この「打ち水テクニック」は実行しないでください、と注意喚起しています。
まとめ
エアコンをより長く使い続けるためには、これらのテクニックが重要ですし、室外機クリーニングのようなメンテナンスも必須です。
ぜひとも、この機会にクリーニングをご検討ください。