【プロの秘伝テク】キッチンの困った油汚れを徹底的にキレイにする方法
はじめに
油汚れは、キッチンにつく汚れの代表格的存在です。
「水と油」という慣用句が存在するように、油は水に溶けません。
湿らせた雑巾で油を拭いても、どんどん伸びてしまうばかりで全然キレイにならないし、油を拭ききったあともなんとなくヌルヌルして気持ちが悪いですよね。
油汚れは単に見た目が不潔なだけでなく、さまざまな害虫やカビなどの細菌のエサにもなります。
また、油汚れは粘着性がありますので、ホコリなどのゴミがくっついて雪だるま式に大きくなってしまうなど、二次的な汚れを引き起こす原因にもなってしまいます。
しかも、油汚れは蓄積していくと非常にガンコな汚れに成長します。
長年放置された油汚れは、市販品の洗剤ではキレイにできないほど強烈な汚れとなってしまうことも珍しくありません。
今回は、そんなキッチンの困った汚れである「油汚れ」についての解説と、油汚れに効果的な洗剤、油汚れ落としに役立つテクニックなどをご紹介したいと思います。
油汚れとは
油とは、動植物や一部の鉱物から採取される可燃性の物質の総称です。
家庭内で使われる油のほとんどは動植物から採取されたものであり、特に調理に使われることが多いため、油汚れはキッチン周辺に多く見受けられます。
油は水に溶けない性質(疎水性)があるため、雑巾などで水拭きしてもキレイにならないことが多く、ヌルヌルした不快な汚れとしてどんどん蓄積していきます。
しかも油は揮発するため、煙に乗った調理用油がレンジフードなどの換気設備の中で冷えてかたまり、そのまま内部にこびりついて残ることもあります。レンジフード内部に溜まった油汚れはどんどんと大きくなり、最終的にはレンジフードファンの動きを阻害するようになります。レンジフードから異音が出ているという方は、ドラムの内部に油が大量に溜まっている可能性が高いです。
また、油汚れはゴキブリなどの不快害虫・衛生害虫の食料にもなります。油汚れはこれらの害虫を寄せ付ける原因にもなりますので、キッチンの衛生環境を保つには定期的なお掃除が必要になります。
油汚れの落とし方
油汚れには、界面活性剤の入った洗剤およびアルカリ性の洗剤が有効です。
界面活性剤とは、水と油の境界を壊し、ふたつを混ぜ合わせる効果や、物体から油を引き剥がす効果などがあります。
食器用洗剤などの中性洗剤にはほぼすべて界面活性剤が使われています。
中性洗剤は液性的に安定しているため、あらゆる箇所に使うことができます。比較的軽い油汚れなら中性洗剤で十分に落とせます。
レンジフードの内部など、油汚れが頑固な場合はアルカリ洗剤を使用します。ただし、アルカリ洗剤は非常に強力なため、塗装などの下地を剥がしてしまったり、金属に洗剤焼けを作ってしまうおそれがありますので、多用は避け要所要所で使うようにしましょう。
洗剤はホームセンターや薬局で購入することができます。洗剤ボトルの裏に成分表と液性の表示がありますので、「中性(界面活性剤入り)」や「アルカリ性」のものを選ぶようにしましょう。
ただし、これらの洗剤はお風呂用やトイレ用などではなく、キッチン用や油汚れ用と書かれたものを買うようにしましょう。
その他、メラミンスポンジ(激落ちくんなど)、サッシブラシ(毛先が細くヘッドの小さいものがおすすめ)、金だわし、大きめのバケツ、古雑巾などを用意しておきましょう。
キッチンの範囲で1番油汚れがひどくなりがちな場所は、やはりコンロ周辺です。
お鍋などをコンロに載せるための五徳は、特に油汚れや焦げ付きが頑固になりがちですので、それだけ長時間洗剤につけておく必要があります。
キッチンをお掃除をはじめたら、まずこれらの五徳や魚焼きグリルをコンロから取り外し、バケツにアルカリ洗剤とお湯を溜め、そのなかに浸しておきます。お湯の温度は高ければ高いほど効果がありますが、その際はやけどなど怪我をしないよう十分注意しましょう。
汚れ具合によって、つけおきは30分~1時間程度必要になります。
つけおきした五徳は、金だわしでこすっていきます。それほどひどくない汚れの場合は、洗剤のつけおきと金だわしでこするだけで十分キレイになります。
金だわしで落ちない汚れは、金属製のヘラなどでこそぎおとしましょう。かなり力のいる作業ですので、怪我などに十分ご注意ください。
焦げ付き汚れは層になっていることが多いため、洗剤でつけおき⇢こすって落とす⇢ヘラで削る⇢洗剤でつけおき…といった具合に、キレイになるまでこの作業を繰り返します。
コンロ周辺の壁には、想像以上に広い範囲にわたって油がはねています。パッと見ではわからないような汚れもあるため、私達プロは、目で見る以外に手で触るなどして汚れをたしかめています。油汚れは玉になって壁についていることが多く、油がついているところは下地から膨らんでいるため、目には見えなくとも手で触るとその存在に気づくことも多いです。
コンロ周辺についた油汚れは比較的軽いことが多いので、使用する洗剤は中性洗剤で大丈夫です。ただし、お掃除する範囲が広いため、洗剤をかけたあとメラミンスポンジや古雑巾などでしっかりと洗剤を全体に塗り伸ばしましょう。その際、少し力を込めながらこすると、汚れ落としも同時にできるため、あとの作業が楽になります。
洗剤は乾くと効果がなくなるので、メラミンスポンジや雑巾は濡らして使用します。
洗剤をかけて水拭きしたあとは、乾いた雑巾で浮き上がった汚れと洗剤水を乾拭きします。洗剤が残ったまま乾くと白い跡が残りますので、乾拭きはしっかりしましょう。
アルカリ性洗剤は下地を傷つけることがあります。特に多いのが、噴射口から垂れた洗剤がボトルの底に溜まり、ステンレスシンクなどに円形の洗剤やけを残してしまう事故です。ステンレスシンクが洗剤やけすると、補修するのは非常に難しいので、こういった事故が起きないよう、洗剤は雑巾の上に置くなどして養生しましょう。
業務用のアルカリ洗剤には、非常に強力な成分が含まれています。肌や粘膜に触れると炎症やただれを起こすことがありますので、お掃除の際は十分に注意し、ゴム手袋やゴーグルを必ず着用するようにしてください。
まとめ
・油は疎水性という水に溶けない性質を持っている
・油は加熱すると煙と一緒に揮発する
・揮発した油は換気装置の中で固まり堆積していく
・レンジフードのドラム内部に溜まった油が原因でファンが回らなくなることも
・油汚れに有効な洗剤は「界面活性剤」と「アルカリ性洗剤」
・界面活性剤は油の表面にある境界を壊し水と混ざる性質に変える
・アルカリ性洗剤は強力なものが多いためひどい油汚れの時に使うようにする
・洗剤を効果的に使うには漬け置きが大切
・コンロの五徳などについたガンコな焦げ付き汚れは、アルカリ洗剤とお湯に長時間漬けこむと汚れが柔らかくなる
・焦げ付き汚れは層になっているので汚れが酷い場合は何度も漬け置きと擦りを繰り返す
・アルカリ洗剤は塗装などをとかしてしまったり、金属を変色及び変質させることもあるので、取り扱いには十分気を付ける
・アルカリ洗剤は肌荒れなどを起こす場合があるので、掃除するときは必ずゴム手袋やゴーグルなどを着用する
いかがでしたでしょうか?
今日ご紹介したお掃除法は、おそうじ革命スタッフが現場でも実際に採用している汚れ落としテクニックです!
どんなにガンコな油汚れでも、その性質と落とし方を十分に理解すれば必ずキレイになります!
それでも「落とせなかった!」という方は、ぜひ一度おそうじ革命へご相談ください!