退去時のハウスクリーニングの相場
1.相場はケースバイケース
賃貸物件の退去時には、クリーニング代が請求されるというケースが多いということを知らない人はかなり少ないかと思われます。規定で言えば、実はクリーニング代は貸主負担になっているのですが、大抵の賃貸契約ではクリーニング代は借主が負担するといった契約内容になっています。また、原状回復義務がなくともクリーニングは必ず行われるものなので、もし0円でトラブルなく退去できたという場合はかなり稀なケースです。
殆どの賃貸物件契約は、借主がクリーニング代を負担することを契約内容か特約に含んでおり、それを理由に支払いを拒めないという状況になる為、「クリーニング代は借主が支払うもの」という意識が強い部分もあります。ちなみに、賃貸物件契約における了承のサインは法律的にもかなり意味合いの重いものであり、法律の専門家でもない限りその内容を覆すのは難しいものとなっています。そして、ハウスクリーニングはある程度、相場でその費用を考えることが出来るため、ここではいざ請求されたときの為に、ハウスクリーニングの相場について言及していきます。
2.高額なクリーニング費用になる理由
ハウスクリーニングの相場は、例を挙げると1Kから1DKだと2万円から6万円、1LDKから2DKだと2万5千円から7万円、2LDKから3DKだと4万円から12万円となっています。相場から推察しても、部屋の広さと掃除がどの程度行われているのかによってハウスクリーニングの金額は前後する為、その金額が高いのか低いのかはもはやケースバイケースです。しかし、過失の有無に関わらず借主にのみ全体的な負担を強いる契約は、基本的には無効です。
もし、不動産会社と裁判になったとしても借主の負担と貸主の負担には、明確な境界線があるということを忘れないでください。また、高額な請求をしてくる不動産会社の請求に納得できない場合は、不動産会社ではなく法律の専門家や消費者相談センターに相談することをお勧めします。不動産会社は、賃貸契約の当事者でもありますが、同時に色んな意味でトラブルメーカーでもあり、高額な請求が不動産会社から来た場合にその当事者に相談して問題が解決するとはとても思えません。むしろ、逆上して裁判になるケースの方が多いでしょう。その為、通常の悩み事と同じく相談する相手は選ぶ必要があります。
3.借主としての過失の有無
賃貸物件の傷や汚れは、過失か経年劣化のどちらかに区分されます。通常、生活する上で消耗するであろう部分については貸主が負担するという規定もある為、よほどのことがないかぎり借主が頭を悩ませることは少ないかもしれません。しかし、中には負担の区分など関係なく請求してくる業者もあることを忘れないようにしましょう。